20世紀中頃の時代を表すミッドセンチュリー。この言葉は現代建築の3大巨匠、F.L.ライトや、ミース・ファン・デル・ローエ、ル・コルビュジェが生きた時代として有名であり、色々な技術革新によって、建築的にも産業的にも大きな変革がありました。建築はそれまでの装飾主義からモダニズム建築が主流になってミニマムなものが好まれ出しました。この流れは今の建築にも強く根付いていて、考え方の基礎になっていると思います。
そんな時代の中、アメリカのカリフォルニアでF.L.ライトの建築を参考にしながら一般の人が求めやすい住宅を作ろうと生まれたアイクラーホームというものがあります。現在では当時に作られたアイクラーホームがカリフォルニアの地でリフォームを繰り返しながら生き続けていて、一つのステータスとなっています。そのアイクラーホームを日本で再現したいという思いから生まれたのがこの住宅です。クライアントは実際にこの時代の家具をアメリカから掘り出してきてリペアしながら販売している、大須にお店を構えるパームスプリングスさん。買付けの度にアメリカで多くの住宅を見ていることからそれらの建物を日本でも広めたいという思いで新たにミッドセンチュリーハウスを立上げ、その第一号となるモデルハウス的な住宅でもあります。
アイクラーホームの特徴は玄関の手前にアトリウムを持つ平面計画。土地柄サイズが違うのでそのまま再現することは難しいのですが、日本の土地に丁度いいサイズ感になっていると思います。このアイクラーホームにはいくつかの特徴を持った外観があるのですが、そのひとつ横の長さを意識した外観をこの建物では取り入れています。梁や屋根、壁の見え方で実際の建物の雰囲気が崩れないように、実際に買付けに同行して、同年代の建物を見たり、実際に泊まって調べたりしたこともあって貴重な体験をした物件となりました。高台に位置していることや借景も手助けして開放的な空間となっていることと、実際にその時代の家具達が並んでいるので、エキゾチックな住宅となっています。
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2017.11 愛知県名古屋市守山区
住宅(木造在来工法 1F)
建築面積/157.70㎡ 延床面積/133.59㎡
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