東西に長く台形の形をした土地に建つ、ロフトのある平屋建ての木造住宅。
土地の形に合わせて2つの軸を持った建物になっています。交通量の多い高架道路の登り口のすぐ脇に位置することもあって、通りから視線や音などを遮ったりできる形を立体的に意識して、屋根を使って閉じ方、開き方を検討しました。
また山登りとワインを飲むのが好きなことを生活空間に入れ込みたいというのが希望としてあり、それらを意識しながら空間を作っていきました。
間取りは小さな和室を持つLDKと寝室とロフト。ロフトに向かってLDKの天井が上がっていき水廻りを野面石積みの壁の中に入れ込んで、その上にロフトがある空間構成としています。和室は3帖と狭いのですが、趣味の空間の土間と繋がるようになっていて狭さを感じさせないようにし、建物の中に入れ込んだ木の箱の中に和室を納めました。これはただ畳の部屋やコーナーがあるような見え方と違って特別な空間として感じてもらえるような仕掛けとして作りました。
これらの要素から外観が作られたのですが、いつの間にか山のような形になっていたので、「ONe(オネ)」という名前をこの住宅につけました。
内装材のベースは水性ペイントで、部分的に野面石タイル、ラワン合板、ビニルクロスなどを使用しています。ラワン合板は壁や天井だけでなく、TVボードからダイニングテーブルまでが一体で繋がった家具や棚板として使用し、木々(もくもく)しさが山登りの雰囲気を盛り上げてくれないかと提案し採用して頂きました。また、ワインが好きでワインを飾りたいということからシンプルながらダイナミックなワインラックを思い切ってつけました。このワインラックは予算的な都合もありDIYでオーナーさんと一緒に作りました。ワインラック以外にも細かくてお金のかかりそうなところはDIYで行うようにしています。それによってより愛着をもって使ってもらえているのではないかと思います。
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2017.10 愛知県丹羽郡扶桑町
住宅(木造在来工法1F)
建築面積/92.24㎡ 延床面積/90.30㎡
※延べ床面積にロフトは含まず
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